kenny_desuのひとりごと

備忘録。いい感じのブログ名を常に募集しています。 @kenny_desu

おかあさんといっしょスペシャルステージ2023に行ってきた

タイトルのとおり、成人男性が単身で親子向けのコンサートに乗り込んだ回の日記です。

 

 

経緯

ぜんぶスタァライトのせいだ。(存在しないJR SKISKIのキャッチコピー)
2019年のAGFでスタァライトステージの整理券を雑に取得してアニメを見てからなんやかんやがあり(大幅な中略)、スタァライトにドハマりしていた。そんななか、2022年2月に最強の刺客がやってきた。
シークフェルト音楽学院、リュウ・メイファン役の竹内夢さんである。

 

tachipro.jp


この人、歌がメチャクチャ上手いしアクション能力も高い。『-The LIVE エーデル- Delight』では、一人だけ3倍のフレームレートが与えられているかのような多動生き生きとしたメイファンを演じる姿が極めて魅力的だった。自分が顔面に負けそうな自覚はあったので屈しないように我慢をしていたが、2022年10月のシークフェルト中等部舞台、今年4月のエーデル朗読劇を経てとうとう屈してしまった。中等部舞台ではなんかソロがあったし、朗読劇は真に迫る演技で、別に動いていなくても勝てないことが明らかになった。
仏の顔も三度までという諺があるが、顔面に耐えられるのも三度までが限度らしい。顔にまつわることわざは大体が三回までということだと思う。仏の顔も顔なんだよね、仏顔面派ってこの世にいるのかな。

経緯をシンプルに伝えるサークルツイート

 


顔面に屈した後にやることはふたつ。適度に情報収集をすることとイベントに参加することだ。
イベント参加を考えるにあたり、出演作品の中にたまたま『おとうさんといっしょ』が含まれていただけであり、これが女児向けコンテンツだろうが老人向けゲートボール大会だろうが足を運んでいたと思う。偶然が生んだ交通事故である。

 

参加にあたり参考にしたブログから引用



作者の人もそこまで考えてないと思うよシリーズ。まさかこんな交通事故を起こすオタクが本当に存在するとはあまり想定していなかったんじゃないだろうか……。

 

経緯をざっくりと説明したところで、読者の最大の疑問を先に解消しておこうと思う。

Q. 大人一人でおかあさんといっしょのイベントに行って、いたたまれない気持ちはなかったのか?
A. オタクは存在そのものがいたたまれないだろ。

 

それに昔からちゃおフェスや女児向けコンテンツのライブにも行っていたし、別に誤差の範囲だと思った。
なんならちゃおフェスなんて大人単身のオタクは枠外でステージを見せられていたし、某女児向けコンテンツは親子席がいい感じのエリアにあった気がする。それらに比べればおかあさんといっしょスペシャルステージは券種が全人類統一である*1時点で独身男性だろうがウェルカムなのだと理解していた。本当に来てほしくないなら悪い席に追いやるなり親子席を出するなり手段はあるので。

 

 

申し込み

6月頃にスペシャルステージの開催が告知されたが、いかんせんチケット事情が全くわからない。実は単番で申し込むとオタクキモすぎ罪で落選するんじゃないかとか、チケット抽選には明記されていない条件が存在することがよくある*2ので不安だった。

困ったときには有識者に話を聞くのが一番、ということでおかあさんといっしょに詳しいフォロワーがたまたまTL上にいたため泣きついた。
おかあさんといっしょスペシャリストをTwitter上で捕まえるのはなかなか難しいと思うので助かった。何年かオタクをやっていると大抵の物事において最低1人はスペシャリストがTLに存在するようになるんだと思う。

 

本当に真面目に質問しています


質問の書き出しが意味不明だし回答もOpenAIみたいな書き出しで返ってきた。
一応私的なやりとりなので内容は伏せるが、別に大人単身でも何ら問題はないなどいくつかの疑問が解消されので必要な公演を必要な枚数だけ申し込んだ。

すくコムに会員登録をする際に子供の情報を入力する欄があったが、当然のように空欄にした。

 

 

イベント当日

1日3部回しで1回目が10:40開演という、オタク的には早朝の時間である。オタクがこの時間から稼働しているのは並びか舞台挨拶の時くらいだろう。

さいたま公演はおなじみのさいたまスーパーアリーナで開催された。さいたま新都心駅からSSAに向かってワラワラと人が歩いていく光景は普段と何ら変わらないのだが、決定的に違う点が2つあった。

 

  • 客層が圧倒的親子
    当たり前なのだが、客のほとんどが2人以上で来ている親子・家族である。大人単身のオタクはいないこともないが、意識して探そうとしてもウォーリーをさがせくらいの難易度ではあると思う。
  • けやきひろばが平和
    これも当たり前なのだが、広場で謎の絶叫をしたり地下で酒をすすっていたりする成人男性集団がいない。そして何より、8月の猛暑でも臭わない。やはりオタクはよくないということらしい。

 

 

ここ以外は概ねいつものオタクイベント

特典のスペシャルパワーライト 一応6色出るので結構使える



実際に参加してみて特に大切だと思った心がけや感想を書き記しておく。

 

参加型企画は本気で楽しむべし

Q. いい歳した大人が子供向けのイベントでウキウキで振りコピをしていて恥ずかしくないのか?
A. オタクはそもそも存在そのものが恥ずかしいし、単身でおかあさんといっしょのイベントに入っている時点で今さら失うものは何もないので、全力で楽しんだ方がよい。


全地蔵顔面鑑賞機スタイルならともかく、身振り手振りを申し訳程度にやっていることが最も恥ずかしいと思う。「楽器になったつもりでやってみよう!」と言われたらその瞬間からお前は楽器だし、「みんなで踊ろう!」と言われたらお前も踊る。みんなには会場内全ての人間が含まれているので。
みんなでやる系の曲はレクチャーや、曲に入る前に「みんなで一緒に歌って踊ろう!」みたいなことを言われるので、その時だけでもウキウキ多動マシーンになった方がトータルで見て良い効用をもたらすと思う。

ひとつだけ問題があるとすると、自分よりも前の席にいるキッズに対して「お前もっとまじめにやらんかい!」という謎の気持ちが芽生えてしまうことである。

 

ファンサが結構えぐい

大人単身向けには演者の個人差やオタク本人の推され具合があるのでノーコメントとするが、子供向けにはかなり優しい。うちわやグッズを持って立っているだけでファンサが飛んでくる。最前列にいてもNLNR*3が多発する声優現場で育ってきたのでカルチャーショックでもあった。
指差しレスとか普通にしてるし、もし子供を連れていく予定のあるオタクがいたらグッズをしっかりと準備をしたうえで、周囲の迷惑にならない範囲で最大限アピールするように教育をしておくことをお勧めする。大人単身のオタクは知らない。

 

端から端まで高スキル人材

ステージ演出を盛り上げるダンサーを含め、表に出ている全ての人間が高スキル人材である。笑顔を絶やさずファンサ精神に溢れ、肝心のパフォーマンス能力にも秀でている、まさにプロ中のプロ。うたのおにいさん/おねえさんの歌が上手いのは当たり前といえば当たり前なのだが、本当に歌が上手くてびっくりする。歌は上手ければうまいほどよい。
そしてうたのおにいさん/おねえさんは大体かおのおにいさん/おねえさんも兼ねており(兼ねてないよ)、ビジュアルも良い。かおのおにいさん/おねえさんに異常執着するオタクの皆さんにもおすすめ。
その他会場のスタッフも、筆者が行動する範囲では不快になる行いをするものは全くいなかった。スペシャルパワーライトの引き換えに大人単身で行っても、怪訝な目で見られることはなく丁寧に対応されたし、日本でもここだけはオタクキモすぎ罪が適用対象外なのだと思った。
オタクイベントだと明らかにやる気がなかったりオラついていたりするスタッフがいるのはなんなんだろうか。アニサマの400LVとかだと通行禁止の階段の前でで立ったまま寝そうなスタッフとかいるし。

 

真剣に話をしているのにふざけてるみたいになる

これは先述のおかあさんといっしょスペシャリストも言っていたが、至って真面目な話をしているのにふざけてるみたいになる。歌詞や曲が子供向けの世界観になるので、大人からしたらワードに真剣みが足りないと感じてしまうのが原因だと思う。というわけで比較をしてみよう。

シークフェルト中等部舞台に行っていた時の筆者「『星のダイアローグ』2サビの "待っている人がいる" で指差しが欲しいので下手の6~10番くらいに入りたい

至って普通の話をしている。

 

おかあさんといっしょスペシャルステージに行っていた時の筆者「『からだ☆ダンダン』でカニさんとかサメさんとか現代人はあっち側で見たがいいけどクリオネはこっち側だしどっちの席使うか悩む」

 

ワードがふざけてるように見えるだけで真剣な話をしています!!!!!!

特定の曲や歌詞や振り付けでバミリや上手下手に執着したことのない者だけが石を投げなさい。


曲や歌詞が意外と良い

子供向けと侮ることなかれ、子供向けであるがゆえに洗練されたシンプルな歌詞と素直な曲作りが面白い。
オタク向けにはいくらでも小難しくしてガチャガチャやっていてもよいが、子供向けにそういうことをするわけにはいかないはずだし、なんなら聴いてすぐに覚えられるくらい印象に残る曲を作る必要があるのだと思う。謎の曲も結構あるけど

例えば『ひかるみらい』という曲ではこんな歌詞がある。

おひさまは いつでも あしたへ
つづく みちを てらしている

ひかるみらい

ひかるみらい

  • provided courtesy of iTunes

 

メチャクチャ前向きで良い歌詞やん……。推しメンという太陽がいつも道を照らしてくれるんだよなと思った。何の話だっけ。
ダイヤのA』でアンパンマンたいそうに感銘を受けた登場人物がいたと思うけど、わかりやすく例えるならこれが一番近いかもしれない。

ダイヤのA』より引用。概ねこれ

 

家庭の様子がなんとなく透けて見える

これは比較的マイナス面の感想だが、親の教育教養レベルにかなり差があると感じることが結構あった。

幼児がぐずったら即退出してあやしに向かう親や、やたらと行儀がよい3歳くらいの子供もいれば、開演しても子供の様子をカメラに収め続ける親や永久に落ち着きのない子供もいて上振れと下振れがすさまじい。コンサートに慣れているかどうかという面もあると思うが、注意事項の文字を読めるかどうか、子供相手のオペレーションを普段からちゃんとやれているかどうかがなんとなく見えてしまう瞬間があって嫌だなあと思った。ゲートや席がわからないのか通路のど真ん中で家族ともども立ち止まるとか、コンサートに慣れが全く関係ない場面でも「この親本当に大丈夫か?」と思ってしまうシーンも多々あるし……。逆にちゃんとしているところはメチャクチャちゃんとしている。

まあなんていうか、世の中の縮図。夫婦と子供1人で入っても最低1万円以上はかかるし、チケットの発券までできる知能がないと入場できないので本当にすべてが終わっているようなDQN層の家庭は登場しないけど。イベントの感想に影響はしないけど世の中っていろいろあるんだな~~と思った。

チケット代で思い出したけど、S席の定価手数料が4600円くらい。天下のNHK様だから成り立つのかもしれないが、普段のオタクイベントのチケット代を考えるとかなりお得だった。

 


案外普段のオタクイベントと変わらない点も多い

ウェザーニューズのファンミーティングが声優イベントに似たフォーマットだったことが一部の声優オタクの間で話題になったが、スぺステも案外同じものである。

『地球ぴょんぴょん』は4連の跳びポがあるし*4、『どんな色がすき』では歌詞に合わせてライトの色変えをしていた方がよいし、好きな曲でトロッコが起動して悲しい気持ちになることもあるし、普段のオタクイベントと変わらないことも結構あった。あまり身構えずにイベントに参加してもよいのだと思った。

 

地球ぴょんぴょん

地球ぴょんぴょん

  • provided courtesy of iTunes

 

どんな色がすき

どんな色がすき

  • provided courtesy of iTunes

 

観客が大きな声で演者の名前を呼ぶ点も共通していた。

おともだち*5「ゆういちろうおにいさん~~~~~~まやおねえさん~~~~~」←かわいい
筆者「ゆめちゃ~~~~~~~ん」←キモい

 

オチ

オチがないのでどうしようかと思っていたら、同日に飛行船シアターで開催されていたHiBiKi Fes!! 2023にイベント回しをしたところ、先述のおかあさんといっしょスペシャリストと自然連番が発生していた。

タイミングがあまりにも芸術点が高すぎてウケたし、「ロゴが書かれた袋は?」「今回この紙だけなんですけど……(入場時に貰った一枚紙を見せる)(見せるな)」みたいな謎の会話が発生した。

 

まとめ

  • 大人が単身で行ってもおかあさんといっしょスペシャルステージは楽しめる。エンターテインメントがしっかりしている。
  • スタァライトは人生を破壊する恐ろしいコンテンツである。
  • 来週は大阪で同じものを見て東京のイベントを回します。見る対象が変わるだけでオタクがやることはどこでも同じ。

 

*1:S席とA席の2種のみで、親子席など区分はない。というか基本的には親子でくる想定だろうし。

*2:4連番だとスタンドに飛ばされるとか、逆に単番は整理番号が悪くなりやすいとか、サイレントで行われていることがある。

*3:ノールックノーレス。イベント中、一度も演者からの目線やレスがないこと。

*4:大人は着席指定なので跳べないけど

*5:おかあさんといっしょでは子供のことをこう呼びます