TrySail 5thアルバム 『SuperBloom』の所感
福岡到着まであまりにも暇なので、TrySail 5thアルバム『SuperBloom』の話をしよう。以前も書いたが、曲単品の評価は『Etoile』の一強である。
新規収録曲が5つあるが、筆者の好みを包み隠さずに言えば、『ちゅるちゅわ』と『Mermaid』がちょっと良いと思うものの、『Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-』はイマイチ。『遥かな航海』はハナから曲単体での評価を想定しておらず、ライブで得た体験や時間の経過とともに育てていく曲なのだと思う。
『SuperBloom』
最初からクライマックスという印象を抱かせる曲始まりが良い。良いのだが自分の好みとは少し異なる。これは単純な趣味嗜好の話なのでどうしようもない。
正解の道ではないかもしれないがそれでも進んでいき、そして時々立ち止まって振り返るというのがTrySailがこれまで綴ってきた大筋のストーリーだと思う。
また「航海」とそれに関連したワードは一貫したテーマだと理解しているので、これらの要素をおさえたこの曲はアルバムリード曲としてふさわしい役割を果たしていると思った。
『はなれない距離』
アルバムを通して聴くことで良さに気づけた一曲だと思う。シングルリリース時にはこれといった感情も感想も抱いておらず、直近のライブ(2022年のアニサマや2月の単独)でも「顔がかわいいね~~~」と連呼していたら曲が終わっていた。
人との距離感ってものすごく難しいんだよな。近すぎてもいけないしでも離れたままでもイケていないし。もどかしさをかわいらしく昇華したこの曲、実は結構イケている…。そして「大好き」の後にオタクのクソデカ大声が幻聴として聴こえてくる
『Follow You!』
確か華麗ワンターンのB面だったかな……と思ったら「両A面だぞ」とオタクに訂正された記憶がある。
綺麗なだけじゃない日々も あなたとならダイアモンド
ここがすごく良い。この曲を作った時には既にアルバムの構想があったのだろうか。宝石をテーマにしているアルバムにピタッとハマる歌詞と、"あなた"の存在がもたらすプラスがどれだけ大きいことか、端的に言い表している歌詞だと思う。全体的に水樹奈々ばりの当て字が登場しているのは気になるけど
2サビに行かないかつ大サビに跳びポ4連があるので、ライブ前にはおさえておきたい一曲。
『ちゅるちゅわ』
感想はだいたい日記に書いたな。3曲目前後の比較的序盤でやるのかな。
『華麗ワンターン』
カレーワンタンという略称(?)に反して曲の重たさがラーメン二郎だよ。脳の機能が停止している時には楽しめるけどシラフだとちょっとつらいというか。2サビ前のアルプス一万尺みたいなフレーズが未だに謎なんだけど、誰か答えを持っていますか?。
ライブでは終盤に配置されると思うので、それまでにどれだけ脳の機能を停止できるかにかかっている気がする。声出し解禁になってから初のライブだというので、わかりやすく盛り上がることができる曲があるのはいいことだと思う。
2サビ後間奏のベースがひたすら気持ち良いので生バンドを所望したいのだけど……。
『Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-』
なんでラーメン二郎が2食続けて出てくるんですか?
日記でも「harmoeの領分では?」と書いた。領分というか、この路線で強みを持っているアーティストの一例かな。多分『harmony to the West』と『アラビアン・ユートピアン』が子供を作ったらこういう曲が出力されると思う。
「薔薇」というワードが登場するのは良いと思う。砂漠と薔薇ってなかなか紐づかないものだと思うし、アルバム全体を意識して作られているのをよく感じるからだ。
『Sunset カンフー』で中国をクリアしているし、いっそこの勢いで世界制覇をしたらいいと思う。
今回のツアーは毎回のように「ヤバイ!酒のみた~い!」で乾杯が交わされると思う(交わされないよ)。
『Mermaid』
これも書いたな。ツアーでは新規収録曲の中でこれを一番楽しみにしている。
『Follow You!』で書いたことと近いことを思った。
ここにRAISE A SUILENの『Beautiful Birthday』で一番好きな歌詞を置いておく。"あなた"の存在がどれだけ大きいものなのか。こうして並べてみるとポピュラーな表現だと思うが、どう言い表すかにセンスが問われると思う。
地獄だって構わない あなたの元で生きれるなら
『Lapis』
この曲は陰と陽で言うと明確な陰だと思う。TrySailの曲って陽の比率がかなり高いと思っていて、8曲目で明確に陰を差し込んでくるのはうまい構成だと思った。一度落ちてこないと上がらないしね。落とし方と上げ方が大切なんだけど、『Mermaid』を受けてここに配置されていると考えると妥当なのかな。ちょっとBADが入っているところから急落下だし。
「逆さの太陽」って太陽の逆位置を表しているのかなってずっと考えていた。太陽の逆位置って確か現状への不満や将来への不安を意味していたと思う(調べてみたら大体合っていた。スタァライトのアルカナ・アルカディアで調べたような気がする)。
曲中でも海に道はないことを歌っているし、当たらずとも遠からずだと思っている。前回のツアーでも固定だったが今回はどこでどう見せてくるのか、最も使いどころが難しい曲だと思う。使わない選択肢もあるけど
『遥かな航海』
TrySailとして歩んできた今までの道のりあってこその曲だと思う。よって曲単品の評価がかなり難しい。
道なき道を突き進んできたトップランナーだからこそ歌える曲だと思うし、これまで積み重ねてきた時間がないと成り立たない曲だと思うので。
選んだ道が正解かなんてわからないし、多分どの道を選んでも何か思ってしまうんだろうけど、それでと仲間と横並びで前に進んでいくこと自体に意味を見いだすんだろうね。横並びというか対等というか。
アルバムの並びを考えるに、『Lapis』を受けてこの曲があると考えるのが自然だと思う。暗い中をさまよう時間から未来へ向かう時間への移り変わりの表現なのだろう。
『Etoile』
結局この曲が全部解決してくれると思っている。
「変わらないために変わる」ってスフィアで20000000000回くらい聞いた言葉(オタク特有の誇張表)だけど、実際それが一番難しいと思う。
自分も周囲の環境も、この世の森羅万象そうだけど今と全く同じ状態って後にも先にも存在しないし、なるべく近い状態を維持するために変わる必要がある。
スポーツ選手を例にとると、高いパフォーマンスを維持するために、その日その時の状態に合わせた行動を追い求めている。自分の現在地を見失わないためにも、"変わる"だけでなく"変わらないために変わる"ことも必要なのである。変化に弱い者はすぐに淘汰されてしまうからだ。
この曲で歌いたいこととして筆者が考えているのは、たとえ離れてもお互いが目印になるような光り輝く星でいようということだと思う。星座は星同士を結んでひとつの形をなすので、光が失われたら星座は成り立たなくなってしまう。未来への情景を思い浮かべながら結構とんでもないことを歌っていると思う。
輝いていればまた会えるというのは、輝き続けなければ会えないということでもあるので、輝き続ける意志が必要なんだよな。
実際のところもう少し柔らかいニュアンスだと思うが、そういうイメージが頭の中に浮かんできた曲だった。
『flower』
2月の単独ライブ専用に書き下ろされた曲という印象だし、それをいかに塗り替えるかが問われていると思う。この曲も、それまで分かち合ってきた時間が前提なので、どれだけのストーリーを上乗せできるかによる。
「世界で一番」は本当に一番にしようね。ひだまりは世界で一番あったかい場所で、帰ってくる場所なので。
「”宝石”をテーマに、個性が輝く全11曲を収録したフルアルバムが完成!」とのことなので、多種多様な楽曲が収録されているのはコンセプトに沿っていて正しい。多様ととるか、統一性がないととるかは個人の主観によるが。
筆者は停滞こそが最悪だと考えているので、新しい路線を取り入れるのは悪いことではないと思っている。やってみてイマイチなら次はやらなければいいだけだし。試行なくして成長無し。
それでも筆者の好みで言うと先に書いたとおりで、悪くはないが手放しで絶賛できるアルバムでもないと思っている。そもそも筆者はライブ映えを必ずしも重視していないので、大衆が求める曲と嗜好がマッチしないこともよくある(自分でこういうことを書くのもどうかと思うが)。
いずれにしても、ライブが楽しみなのは間違いない。アーティストが曲に新たな意味や解釈を付与し、ファンがそれを咀嚼して理解を深めるのがライブの役割だと思うので。新たな出会いが待ち遠しい。
以下余談だが、こういう文章を書く時に気を付けていることがある。人や物の名前を間違えないようにすることだ。
理由はいくつかあるが、まず名称誤りは失礼な行為という感覚があるため。筆者の本名を知っている人はわかってもらえると思うが、名前を間違えている郵便物やメールがしょっちゅう届く。一度ならわかるが、気づこうとしたり気にしたりする様子もない人を見るとひどくイライラする。自分のアウトプットが適切かどうかのチェックってしないんだろうかと、その人の能力や性格に対する信用がなくなり、アウトプットの品質にも疑いを持ってしまう。
筆者の場合は公式のディスコグラフィを参照してコピペをすることで誤りのリスクを減らしている。公式が誤っていた場合にはおわりだよ~。たまにある。
次に、アウトプットの説得力が失われてしまうと考えているため。中身が良かったり意味が通じたりすればいいじゃんというのは、読み手の寛大な心からくる話だと思うので、書き手の立場では細心の注意を払う必要があると思っている。
オタクのミスはそこまで目くじらを立てるものでもない(この人そういうところ適当だなと思って印象が悪くなることはある)けど、物書きを生業としている人の文章で名称誤りがあると、それだけでその文章に読む価値がなくなると考えている。
最後に、アウトプットのチェックはすべきだと考えているため。ヒューマンエラーをゼロにするのは不可能なので、どれだけ気を付けていてもミスは発生するものだが、筆者はその前提に立って気を付ける努力をしている。適切な規則に沿っていないアウトプットは、評価の土俵に乗る以前に落第だと思うので。
というわけなので筆者の文章内で名称の誤りを見つけたら厳しく指摘してもらってかまわない。それだけ注意をするべきことだと思うし、スペースの有無や大文字小文字も、名付け親が何らかの意図を持って設定している場合が多いはずなので。「なんとなく」の場合もあると思うけど。
最後に、ライブ後の乾杯シミュレーションをしておきましょう。
はるばるはるばるはるばるはるばる…
ヤバイ!酒のみた~い!🍻\ガチャーン/